2004・11・17 外房大原・鈴栄丸 ショウサイフグの巻


去年のトラウマ
まったく、外房の朝は早すぎる。
なんと出船、4時45分!!
もう11月にもなると外は真っ暗だ。準備をする他の船も、漁火さながらに煌々
と電気を灯して暗い港を彩っている。

なにしろ出船が早いので、1時半まで家で少し仮眠をとって2時過ぎには京葉道路を走っていた。
カーナビでは大原まで100キロ弱。夜中の九十九里有料道路は超空いていて、前も後ろも自分の車しか走っていない。
ドライブは気持ちいいんだけど、…実はいまいち気分が乗らないのであった。

大原のフグ釣りといえば、去年の地獄のような海が脳裏に焼きついて離れないのだ。
ああ、こんなときは暗めのBGMにしよう。
『マーリーワンナー』の1stアルバムがいい。詞の内容が難しくて、あまり頭に入ってこないのも気に入っている。

ああ…去年のフグ釣りは本当に、本当に辛かった。


結局いつも一人ぼっち
まずはこの2003/11/15付の日記を読んでみてください。
日記の中に出てくる、『刑務所の塀みたいな高い波』というのが右の写真。あんま分かんないか。でもとにかくヒドかったんだから。
海が凪いでいれば他の船も見えるんだけど、あまりの高波のせいで視界に入るのはもうひたすら『水の壁』のみ。

『自然は生き物を生かしもするし、殺しもする』
なんていう、もののけ姫の神様みたいなことをおれは身をもって知った。

つかね、こんな日に魚釣りなんて馬鹿げてるよ。
『集団の勢い』だけでやっちゃうと、後々ろくなことにならない。
案の定、この日からみんな『沖釣りなんて絶対行かない!』と口をそろえて言うハメになった。

で、結局今回もソロ釣行。。。(・_・)ポツーン。。。
あ、そうだ。映画『パーフェクトストーム』だ、シナリオ的にはアレですが、画的にはスゴイので見てみるといいかも。


フグ大漁!の好予感なんだけど
宿で乗船名簿を書き、お金を払って船に乗り込む。
今日の予報は、晴れ時々曇り、北の風4m、中潮。
波の高さは1,5mと出ていたが、沖に出てみるとちっともどーってことない。
むしろ、東京湾のベタ凪ぎに近い穏やかさだった。

ぐふふ!なーんだ、今日は楽勝じゃん!
次第に明けてくる太平洋の空に、『フグ大漁!』の予感がモリモリ沸いてきた。
いいぞいいぞー!

しかしこれはいつも思うんだが、釣りが終わった後より釣りに行く前の方が100倍楽しい。
自分で仕掛けを作ったり、リールに油を注したり。
雑誌を眺めながら釣り方をイメージする時間の、なんと豊かなことか。
実際船に乗ってしまうと、たちまち真剣モードに入ってしまい昨日までの余裕はなくなってしまう。それでまさかのボーズのときなど、来なきゃよかったとチョー大後悔血ノ池針山業炎地獄だ。

…てかさー、でっかい人間になりてえもんだ、ほんと。


なななー!やればできるじゃん!
右のイラスト、PCで作れちった。
実はね、仕掛けの写真がなかっただけなんだけど、たまにはこういうのもいぐねっすか?
「あいや、げだごど」。

仕掛けの説明
・オモリは25号で統一みたい。
 一人でも軽かったり重かったりすると、周りとオマツリするからね。
・エサバリにアオヤギの剥き身(乗船時1パック500円で購入)を4〜5個タップリ付ける。肝からベロの順で刺すと持ちがいい。
・『カットウバリ』というフグを引っ掛けるハリにはエサは付けない。

釣り方の説明
・オモリを海底に落として、エサにフグが寄ってきたら「コツコツ」と竿先にアタリが出る。フグはエサ捕りがうまいのでこのアタリが非常に分かりづらい。
・なので、アタリのあるなしに関わらず、今エサを突いているかもしれないと想像して「ピシッ」と軽く合わせてみる(空合わせ)。
・4〜5秒に1度、同じタイミングで空合わせする釣り方を『タイム釣り』という。
・そのうち、エサに夢中で逃げるのに失敗したフグがカットウバリに引っかかっちゃう。
・ラインを緩めないように巻き上げ、ゲット!

フグをギャング針(俗称)で引っ掛けて釣る、というこの行為が『残酷だ』とか『魚との駆け引きじゃない』とか言う人はいるし、やる前はおれも少なからずそう感じてもいた。ほんと言うとね。
しかーし、やってみれば分かる。
人間がこんな危なっかしい仕掛けを海に垂らしても、フグの方がよっぽど賢いし、逆に魚に遊ばれてることを嫌でも痛感するから。

以下、フグにコテンパンにやられた顛末へと続く…。


外道ラッシュ
ポイントには30分ほどで着いた。
暗いうちは誰の竿にもアタリがなかったが、朝の冷え込みが朝陽とともにだいぶ和らいできた6時ごろ、隣の人が鋭く合わせて本命を取り込んだ。

ようし!フグはいるぞ!

次はおれだ、と空合わせを繰り返しているといきなり来た。すかさず合わせる。
「ガガガッ!」
フグってこんなに引くの?ってくらい何度も竿を絞り込む。
ウハハ、幸先いいなー。
ばらさないようにリールを巻いてっと…、うお!?
「ああ、ガンゾウだねー」
隣の人の言うとおり、それは砂の色をした薄っぺらなガンゾウビラメだった。
フグ釣りでは定番の外道だそう。
うぬぬー、でも30cmくらいあるしなんか食えそうだからバケツにキープっと。

気を取り直して、エサを付け替え再投入する。
道糸のマーカーで分かる水深は20mほど。
オモリを底に落として小刻みにしゃくると、何か重い。
よく分かんないまま上げてみると、なんとイイダコだった。
隣の人と顔を見合わせて、お互い苦笑いする。


ひたすらに食いが立つのを待つ釣りは、みんながツライのだ
今日は予報がよかったせいか、平日なのに総勢17名とわりと込んでいた。
フグ釣りがそれなりに数が出てハズレが少なく、食べてもとてもうまいというのが人気のようだ。
しかし、皆の期待とは裏腹に魚の食いは非常に悪く、たまーにポツンと誰かが上げる程度だった。

船長は狙ったポイントが釣れないと分かると、すぐ別の場所に移動した。
「はいどーぞー」→仕掛け投入→「上げてくださーい」→船走る。
船止まる→「はいどーぞー」→仕掛け投入→「はい上げてー」。

あっちへ行ったりこっちへ来たり、船をビュンビュン走らせるものの、どのポイントでもスカばかりだった。

「今日に限って、なんでこんなに釣れないんだよー!」
こう思っていたのは決しておれだけじゃないはずだった。

さんざん走り回った9時すぎのこと。
「確実にフグの反応だよー!!ジャンジャン空合わせしてねー!!」
今度こそは!と気合の入る船長のマイクにおれたちも闘志がみなぎった。
竿先に全神経を集中して、小さくしゃくる。
大ドモ(船の一番後ろ)に陣取っていた地元の常連らしきおっさんたちが、ポツポツとアタリを出し始めた。
「やー!すぐ来たおー」
「またアタッたおー!」
ようやく食いが立ってきたようだ。
いよいよ、待ちに待った入れ食いタイムか!?
おっさんたちの大きな歓声に、誰もがそう色めき立った。







実はこの写真、去年のもの。型は悪くないが、たったの7匹
…実は一番下に下に訂正アリマス

チャンスタイム到来なのに…
ぐぬぬ。
他人を気にせず、おれはおれの釣りをすればよい。
オモリを底に付けて、スパッと短く空合わせ。
「ドンッ!」
ほら来たー。
けど、めちゃめちゃ重いわけでもない。15cmくらいのチビフグだ。
怒ってプックリふくれ面になってる。
あはは、誰かの顔と一緒やんかー。なんて笑ってるばやいじゃなかった。

おれがやっと1匹上げる間に、隣の人はハイペースで2匹以上上げるのだ。
今がチャンスなのに、おれだけすごく乗りが遅いのだった。

しゃくり幅もその強さもほぼ同じ。
エサの量も付け方もたいした違いは見られない。
竿こそフグ専用ではないが、シマノBAYGAMEU・カワハギH150というカワハギ用の超先調子竿を新調したんだから。

しかし、なんでだ…。



フグに勝った!?
今日でフグ釣りは2回目。
釣り方も雑誌で頭にしっかり入れてきた。
しかしその通りに実践してるはずなのに、ペースは一向に伸びない。

うーん、そういえば、回収するカットウバリに海底の貝殻が刺さっていることが何度かあった。

オモリがベタ底だから、フグがエサを突きにくいのか?

では!
オモリを宙に浮かせた方が、エサを食べやすいのではないか…。

したら、どーだ!コツコツと竿先にアタリが出る出る!
んくっー!これなんだよなー、フグの面白さは。このアタリをとってカットウバリに掛けるのがこいつの醍醐味なんだ。

カットウバリの位置が海底スレスレのイメージで、アタリをつかむ。
今まさにフグはエサに夢中!と読んでカットウバリに掛ける。
…掛からない。フグだってそんなバカじゃない。
もう一回落とす。
しゃくる。ずんっ!
おれの勝ちー!



この写真が今回のもの。数は同じなのに、型が超チビ。
一番下に訂正アリマス

釣ったフグは「フグ処理師免許」を持った船長がさばいてくれる

ใกล้จะมาใหม่ได้ไหมจ้ะที่รัก
ところが時すでに遅し。光陰矢のごとし。後の祭りだった。
今頃釣り方が分かっても遅いっつーの。
群れはあっという間にどこかへ行ってしまい、たちまちアタリは遠のいた。

それにしてもいい天気だ。11月というのにこの陽気じゃ眠くもなる。
釣れてりゃがんばりもするけど、他のお客は居眠りしてる人もいる始末。
みんな夜中に家出てきてるんだもんね、しょうがない。

以上。沖上がり11時半。
30分間の船長苦悩の残業までしてがんばったのにね。
船中3〜21匹。賑やかな地元のおっさんたちがトップのようだった。
おれは7匹。
前回と同じ数で、しかも型がものすごく小さかった。
トホホ…。
どうにもうまくいかんもんですわ。

さて。
フグは猛毒のある魚。絶対自分でさばいて調理してはいけないし、もしやったら一発で南無阿弥陀仏だ。
港に帰ったら、フグ処理師免許を持った船長が丁寧にさばいてくれるので、安心&超お手軽でーす。

ああ、このレポート書いてる間も煮え切らない思いでいっぱいだ。
鈴栄丸のHPを見るたんび、ため息が出る。
あんなに調子が悪かったのは、ほんとあの日(11月17日)だけなんだもん。
今年中にどうかもう一度、リベンジに行かせてもらえねえべか。
これじゃ年越せないよー。

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☆訂正☆・・・去年釣ったのは10匹でした。今回の方が少なかった。気づいて余計ヘコミました。